2023.09.11
  • RPAについて

RPAでリモートワークを充実させるケーススタディー:クラウド仮想環境の活用方法

執筆者:柴田明広

RPAは、人間に代わって業務を行ってくれる便利なソフトウェアです。

とりわけ、デスクトップ型と呼ばれるRPAは、自分のパソコン上で動作し、個人レベルで気軽に、簡単に始められるRPAです。

便利な反面、以下のようなお悩みがよく寄せられます。

 

作業者のお悩み

RPAで業務自動化できて便利だけど、リモートワークが浸透してトラブル時に対応できる人が出社していない、対応方法が分からない。

 

経営者のお悩み

働き方改革の一環としてRPAを導入したが、上記のような悩みを抱えている社員がいる。結局みんな出社するため、リモートワークがなかなか浸透しない。

 

今回は、これらの悩みをクラウドの仮想環境を活用して解決したケースを、具体的な事例を交えながら紹介したいと思います。

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事例

RPAの導入

Aさんの会社は常に新しい挑戦に果敢に取り組む風潮があり、リモートワークの普及も積極的に推進しています。

Aさんは資材部で活躍しており、受発注と在庫管理を主に担当しています。Aさんの会社は、社員に柔軟な働き方を提供するため、デスクトップ型RPAの導入を進めていました。資材部も例外ではなく、部署のRPA専用パソコンを活用して、チーム全員でRPAの開発に取り組んでいます。

このパソコンには受発注と在庫管理を行う専用のソフトウェアも併せて導入し、資材部では様々な業務を自動化させることに成功しました。

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ある日、Aさんは新規にRPAの開発を行おうとしていました。この開発は2時間程度の作業で完了する見込みです。Aさんは、メンバーの利用状況、スケジュールされているRPA処理の日時を確認し、次の火曜日の午前中に開発を予定し、部署のメンバーに周知しました。

Aさんが次の火曜日に出社することを知った部署のメンバーは、来客対応や電話番をAさんに行ってもらうことにし、ほぼ全員が在宅での勤務予定となりました。

 

トラブル発生

次の火曜日、普段通りに会社で作業を進めていたAさんでしたが、夕方に実行されるように設定されていたRPAの処理が失敗しました。この処理は、月末の在庫棚卸業務を担当するBさんが設定したものです。この業務は当日中に完了させ、関係者に結果を送付しなければならず、失敗した場合は原因を取り除き、再度実行する必要があります。

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エラーが発生した場合、RPABさんにメール通知する仕組みになっていました。

エラーメールに気が付いたBさんは在宅ワークだったためAさんに電話し、状況を確認するため対応方法を伝えましたが、うまく伝わりません。

電話口ということもありますが、Aさんはこの業務についてほとんど知識がなかったため、Bさんからの指示が理解できなかったのです。

 

Aさんは「Bさんが言っていることが理解できない。どうしたらいいのだろう?」と戸惑い、一方のBさんは「私が直接共用パソコンを操作できれば、すぐに解決できるのに」と焦りました。

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関係者への結果送付締め切りが間近だったことから、Bさんは在庫棚卸業務を自分で行うことにしました。今から出社して対応しようにも、上司への許可が必要ですし、移動している時間も惜しい状況です。もともとBさんの主担当業務で、時間はかかりますが、単純作業なので、業務を遂行する分には問題ありません。

結果、当日中に業務を完了させることができましたが、Bさんは残業を余儀なくされ、関係者もBさんの報告を待っていたため残業せざるを得なくなり、多大な迷惑をかけてしまいました。

 

再発防止を考える

後日、今回の振り返りと再発防止の会議が行われました。

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「リモートワークは縮小するべき。」という意見が出ました。今回の問題は、業務を理解している社員が現場にいなかったことが原因、と考えた社員から出されたものです。

一方で、「今の時代会社としてリモートワークを認めてないとなると、採用活動で不利になる。」という意見もありました。現代の労働市場では、柔軟な働き方を提供できる企業の方が魅力的であり、優秀な人材を確保するためにもリモートワークの選択肢を残すことが重要です。

さらに、「RPA専用のパソコンは社外に持ち出さず、リモートデスクトップで社外から接続するのはダメか?」という提案も出されました。これにより、自宅からパソコンにアクセスしてエラー対応ができるため、リモートワークを継続することが可能となります。

しかし、「セキュリティ要件が担保できない。」という懸念もありました。リモートデスクトップ接続の場合、外部からの不正アクセスや情報漏洩のリスクがあるため、セキュリティ対策が不可欠です。

最終的に、クラウドの仮想マシンを導入することが決定されました。これにより、リモートワークを継続しつつもセキュリティ要件を担保し、効率的な業務運営を実現することができます。また、リモートワークの選択肢を残すことで、会社の魅力を高め、優秀な人材の確保にも寄与します。

 

仮想マシンを導入すると・・・

前述の事例では、クラウド上の仮想マシンの導入が結論として導き出されました。Amazon社の提供する Amazon WorkSpaces や、Microsoft社が提供する Azure Virtual Desktop といったものがあります。この仮想マシンを導入することで、今回の問題はどのように改善されるでしょうか?

従業員の問題

Aさんは、自宅からでも、引き続き会社からでも、RPAの開発が行えます。エラーが発生したときは、誰かの代わりに対応する必要はありません。担当者が仮想環境にアクセスして対応してくれます。

Bさんは、エラーが発生したとしても、自宅から仮想マシンにアクセスして、原因の調査とリカバリが行えます。対応のために出社する必要もなく、業務知識の乏しい人に電話で指示する必要はありません。

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会社の問題

仮想マシンは、利用する人だけにメリットがあるわけではありません。

会社全体にもメリットがあります。

 

■固定資産の管理

物理的なパソコン端末があると、固定資産調査のため、誰がどの端末を使っていて、端末はきちんと存在するか、を確認する必要があります。

クラウドの仮想マシンサービスでは、仮想マシンを一括して管理する管理画面が用意されています。

現物を確認する手間が省けるので、資産管理が容易になります。

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■柔軟な働き方の実現

仮想マシンを利用することで、出社に関係なく普段通りの仕事環境が提供できます。RPAと組み合わせることで、さらなる柔軟な働き方を社員に提供できるようになります。

RPAで日常業務の繰り返しタスクを効率的に処理できるようになり、出社の必要性もありません。

社員はより重要な業務に集中できます。また、日常業務の処理時間や出社時間が削減されることから、プライベートな時間も増えることで、ワークライフバランスの向上も期待できます。

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■セキュリティ対策

管理画面へ不正アクセスされるリスクもあることから、セキュリティの観点から仮想マシン導入に不安がある情報システム部の方がいらっしゃるかもしれません。

こういった要望に応えるため、AmazonMicrosoftといったメジャーなサービスではセキュリティ設定が用意されています。

例えば、IDとパスワード入力後、携帯電話に認証コードが送られ、認証コードを入力しなければログインできない多要素認証といったものがあります。

 

最後に

デスクトップ型RPAipaSロボは、誰でも簡単に使えるRPAで、日常のルーティン業務を自動化してくれます。ipaSロボは、クラウドの仮想環境でも問題なく動作するので、リモートワークのように、時代に即した柔軟な働き方を提供することができます。

 

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